第85回LTセミナー「理工学教育におけるアクティブラーニング~米国における物理教育研究~」

 第85回LTセミナーでは,拓殖大学工学部学習支援センターの岸澤眞一先生をお招きし,理工系,特に物理教育におけるアクティブラーニングに関してご講演いただきました.  

 講演の前半では,岸澤先生が高校の教員時代に実践された物理の双方向型授業について,紹介がありました. この授業では,生徒は提示された課題についてまず解答を自分の言葉で書いたあと,他の人の意見を聞いた上で,班にわかれて討論をし,最後に実験をしたり説明を聞くとのことでした. この授業のポイントは,生徒が自分自身で考えて,それを自分の言葉で表現するという活動がなされることです. 授業実践の結果から,その教育効果が確認されています.

 後半では,米国における物理教育研究の紹介がありました.認知モデルに基づく学習の原理について説明がなされたあと,アクティブラーニング型の具体的な授業形態として,ピアインストラクション,相互作用型の演示実験講義(ILD),チュートリアルの紹介がありました. さらに,拓殖大学で実践したチュートリアルの事例紹介がありました. チュートリアルでは,教員およびTAのサポートのもと,学生は与えられた問題に対してグループ単位で解答を作成し,その作成の過程での推論を説明するという学習活動を行います. 先の双方向型授業と同様に,学生が自分自身で考えるという活動がポイントになります. 授業を受けた学生の感想として,物理の面白さを感じるようになったとの声が紹介され,チュートリアル形式による授業が学生の学習観の変化に影響することがうかがえました. 

 質疑では,双方向型授業について,限られた期間の中でカリキュラム上の全ての内容をどのように工夫して教えたのか,また,学習内容にどのように興味を持たせたのかなど,活発なディスカッションがなされました.

参加者の人数
 開催日:2013/02/13(水) 15:00 ~ 16:30

教職員院生・学生合計
24(20)3(1)27(21)
()内の数字はスタッフを含まない人数です

 


セミナーコンテンツ
開催案内

第85回LTセミナー「理工学教育におけるアクティブラーニング~米国における物理教育研究~」

 2月のLTセミナーでは,拓殖大学工学部学習支援センターの岸澤眞一先生をお招きし,理工系,特に物理教育におけるアクティブラーニングに関してご講演いただきます.

 岸澤先生はアメリカにおける物理教育研究の成果であるEdward F. Redish著 "Teaching Physics with the Physics Suite"の翻訳に携わられ,ご自身でも高等学校の物理教育においてアクティブラーニング型の授業を実践されてきました.本セミナーにおいてはアメリカにおける新しい物理教育と岸澤先生の授業実践例についてご紹介いただきます.

 近年,主体的な学び,アクティブラーニングの重要性が指摘されています.教職員の皆様には,ぜひ参加いただき,理工学教育におけるアクティブラーニングの方法について考える契機にしていただければと思います.

※参加をご希望の方は,事前にLT開発室までご連絡ください.帝京大学以外のみなさまのご参加も歓迎します.

第85回LTセミナー「理工学教育におけるアクティブラーニング~米国における物理教育研究~」

  • 日時 2013/02/13(水) 15:00 ~ 16:30
  • 会場 帝京大学 宇都宮キャンパス 本部棟2号館101教室
  • 講師 岸澤 眞一 先生(拓殖大学 工学部学習支援センター)
  • 懇親会について(セミナー終了後に,岸澤先生との懇親会を予定しております)
    • 時間 18:00開始(予定)
    • 場所 JR宇都宮駅周辺
    • 会費 5000円前後(予定)
  • 申込締切
    • セミナー参加申込   2月8日(金)
    • 懇親会参加申込   1月30日(水) 
  • 申込先 帝京大学ラーニングテクノロジー開発室
    • 電話   028-627-7243(直通)
    • メール  LT-Support@LT-Lab.teikyo-u.ac.jp

 

開催案内ポスター

 

配布資料・講演動画


配布資料や講演動画はLMSのコミュニティ「教職員のひろば」内,LTセミナー資料に掲載しています.