教員がより良い授業を実践する際に、学習活動に特化した情報通信技術(ラーニングテクノロジー)をごく自然に導入する時代になりました。大学全体として、ラーニングテクノロジー活用を軸とした授業改善を継続的に推進するためには、教員を組織的に支援する仕組みが必要です。ラーニングテクノロジー開発室は、本学教員のラーニングテクノロジー活用を支援し、活用のための基盤システムを開発、整備するために2003年に宇都宮キャンパスに設置されました。以後、全学の学習管理システム(LMS)のサービスを提供するとともに、LMS活用授業支援を中心に継続的な活動を行っています。

 帝京大学ラーニングテクノロジー開発室(LT開発室)は,帝京大学における継続的な授業改善に向けたラーニングテクノロジーの開発と普及を促進することを目的とし,以下の業務を行います.

  • 授業改善のためのラーニングテクノロジーの開発
  • 授業の電子化およびインターネット授業の支援
  • ラーニングテクノロジーによる授業改善の普及活動
  • ラーニングテクノロジーに関する調査・研究

ラーニングテクノロジーとは

 情報化社会において,私たちの活動は情報通信技術(ICT,Information and Communication Technology)に支えられています.インターネット,電子メールなどの情報通信基盤技術は私たちの日常生活における情報活用やコミュニケーションの幅を大きく広げました.

 学習活動においても,ICTを活用した授業や研修が行われており,学習活動の幅を大きく広げつつあります.しかし,日常の活動を支えるICTをそのまま活用するので十分でしょうか?より良い学習活動を行うには,学習活動を支援するのに特化した技術が必要になります.これをラーニングテクノロジーと呼びます.略称としてLTと書きます.「エルティー」と読んでください.

教育・学習活動
ラーニングテクノロジー(LT)
情報通信技術(ICT)
ラーニングテクノロジーの2面性

 ICTやLTのようなテクノロジーには2つの側面があります.

 1つは「社会を支える基盤技術」としての側面で,授業やゼミなどの教育・学習活動を支える基盤技術としてのLTです.これは情報化社会を支える基盤技術としてのICTに支えられています.

 もう1つは「個人がより良い活動をするために身に付ける技術」としての側面で,言わば,個人が持つ学習力です.このような学習力は,個人の持つICT能力(情報活用力やコミュニケーション能力)に支えられています.

    学習者コミュニティの活動   学習個人の学習活動
学習基盤技術LT個人の持つ学習力
情報通信基盤技術ICT個人の持つ情報活用力・コニュニティー力

 ラーニングテクノロジー開発室は,教育・学習活動を支える基盤技術を開発・整備すること,学生の自己学習力を開発することを目指します.

真のeラーニングを目指して

このようなLTの視点に立つと,eラーニングとは何かが見えてきます.

 eラーニングというと,遠隔授業やICTを活用した派手な教材を思い浮かべるかもしれませんが,eラーニングの本質は,きちんと設計されたわかりやすい授業を提供することにあります.また,ICT能力や学習力が十分でない学習者には,そのような力の習得を支援することが重要です.

 LTを開発・活用することでeラーニングの本質を追求し,すべての教員がわかりやすい授業を提供し,学生が楽しく学べる大学を目指していきたいと考えています.