第59回LTセミナー「基礎から学ぶ著作権 ~ 教育における著作物の活用 ~」
第59回セミナーは,コンピュータソフトウェア著作権協会の伊東英昭氏を講師にお招きし,「基礎から学ぶ著作権」と題してご講演いただきました.
ご講演では,まず,著作権の概説として,著作権の意義や著作権・著作者とは何か,著作権の保護の対象などについて説明がありました. 特に,著作権については複製権と公衆送信権に焦点をあて,著作者の例外としては法人著作に焦点をあてて,説明がありました. その上で,著作権が及ぶ範囲を制限する権利制限について,教育機関において授業の中で利用できる根拠として著作権法第35条第1項が示されました.
その後,大学教育における留意点として,第35条第1項での利用には,著作権者の利益を不当に害さないとの条件があることから,大規模な講義では注意が必要であることが挙げられました. また,eラーニングに関しては,サーバにコンテンツをアップロードすることが公衆送信にあたるため,著作物の利用にあたっては注意が必要であることが指摘されました. 複数の教室で同時に行う遠隔授業を除き,サーバに資料を蓄積して学生がいつでも見られるタイプの授業については,基本的には著作権者の許諾が必要なことも示されました. 著作権法ではネットワークを介した授業が想定されていないため,権利制限規定が未整備とのことです.
質疑応答では,翻訳書の場合の許諾や外国との保護条約,大学教員の職務と法人著作の関係,また市販の映像の授業での上映についてなど,具体的な質問が次々と出ていました. 著作権は,社会,環境の変化に応じてほぼ毎年改訂が行われているとのことですので,今後の動向に注意する必要があると思われます. 今回のセミナーには多くの教職員の方にご参加いただきました.セミナーの終了後も講師の伊東先生を囲み質疑を行う姿などが見られ,著作権に対する関心の高さが感じられました.
参加者の人数
開催日:2009/9/18(金)13:20~14:50
教職員 | 院生・学生 | 合計 |
18(14)名 | 1名 | 19(14)名 |
セミナーコンテンツ
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配布資料・講演動画
配布資料や講演動画はLMSのコミュニティ「教職員のひろば」内,LTセミナー資料に掲載しています.