【2013年度参加報告】第12回manabaセミナー
報告者:及川芳恵
2013年7月5日(金)に経団連会館カンファレンス(東京都千代田区大手町)において,株式会社朝日ネットが主催する「第12回 manabaセミナー」が開催された.セミナーは「ポートフォリオ・LMSの先端事例研究」というテーマで,基調講演,パネルディスカッションの他,3会場でのパラレルセッションという形で行われ,130大学から200名を超える教育関係者の参加があった.
基調講演は,東京大学名誉教授,政策研究大学院大学 アカデミックフェローである黒川清先生から「Uncertain Times:あなたの選択 ~大変革の時代を生き抜くために~」というタイトルで,グローバル世界で生き抜くために,個人に必要な資質は何なのかという点について講演があった.北海道大学 情報基盤センターの重田勝介先生からは,「manabaを活用したアクティブラーニング最新事例報告」というタイトルで,アクティブラーニングの海外での事例と国内での事例の紹介があった.アクティブラーニングとは,「学生の能動的な学習」のことで,教員が一方向で知識を伝達する講義スタイルではなく,ディスカッションやプレゼンテーションなど,学生の能動的な学習を取り込んだ授業であり,学び手の能動性を引き出す学習スタイルとして反転授業というものがある.これは知識習得をオンラインで行い,知識確認やディスカッションを教室で行うもので,受講者のドロップアウトの低減や合格率をあげるなどの効果があり,世界中で取り組まれているとの話があった.アクティブラーニングの具体的な事例として,マサチューセッツ工科大学のTEAL Classroomとスタンフォード大学のWallenberg Hall,東京大学の 駒場アクティブラーニングスタジオ,西武台新座中学校の西武台アクティブラーニングラボ(SACLA)の紹介があった.また,パネルディスカッションでは,京都大学の飯吉透先生がオーガナイザーとなり,基調講演を行った東京大学の黒川清先生,文部科学省の佐藤氏,経済産業省の福岡氏がパネリストとして,「大変革の時代のサバイバル戦略 ~グローバル人材育成と教育イノベーションを巡って」というテーマについて議論が行われた.