【2009年度参加報告】情報処理学会教育学習支援情報システム研究グループ第13回CMS研究会

報告者:渡辺博芳

 情報処理学会の教育学習支援情報システム研究グループ(略称:CMS研究会)の第13回CMS研究会が,12月11日(金)~12月12日(土)に広島大学東広島キャンパスにおいて開催された. 情報処理学会コンピュータと教育研究会(CE研究会)と共催,電子情報通信学会技術と社会・倫理研究会(SITE研究会)との連催での開催であった. 3研究会合同であったせいか,参加者は大変多かった.

 倫理に関する研究会と教育に関する研究会の連催と言うことで「大学での情報倫理教育:何をするべきか,何ができるのか,何ができないのか」広島大学の越智貢先生と中村 純先生の対談風の招待講演があった. 簡単に結論の出るテーマではないが,越智先生が「自己責任」という語に関して「権力者が自己責任という語を使う場合,権力者の免責である」として,大学などが「自己責任」と言う場合には,「自己責任」の実質的な意味を規定して用いる必要があることを指摘していたのが印象的であった.

 情報倫理に関しては,一般発表においても,東京農工大学の辰己先生が,情報フルーエンシーを意識して,変わってしまうことや変わらないことを区別して,将来環境が変わっても適切に判断できるような力を育成することが重要であることを指摘していた.

 学習のためのテクノロジーについては,広島大学で構築した動画配信の仕組みが興味深かった. Flash Media Streaming Serverから動画を提供することとし,アクションスクリプトを使って動画プレイヤーを作成し,WebCTやMoodleなどのコース管理システムからアクセスしたユーザにのみ,視聴させるようにしている. この仕組みでは,コース管理システムにアクセス記録が残るようである.

 教育学習支援情報システム研究グループは,来年度から,教育学習支援情報システム研究会,通称CLE(Collaboration and Learning Environment)研究会として活動をすることになる. 第1回CLE研究会は2010年5月13日(木)~ 14日(金)に放送大学で開催する予定である.