【2011年度参加報告】Maharaオープンフォーラム2011

報告者:渡辺博芳

 2011年10月1日(土)~2日(日)に札幌会議・研修施設ACU 中研修室において,Maharaオープンフォーラム2011が開催された.Maharaとはeポートフォリオのためのオープンソースのシステムである.Maharaオープンフォーラムは昨年に第1回が福井で開催され,第2回となる.招待講演1件とMaharaユーザによる一般講演8件があり,参加者は50名程度であった.

 北海道大学山岸みどり教授による招待講演「ポートフォリオの活用と課題-日米比較の観点から-」では,アウトカム評価や進歩主義と伝統主義といった教育パラダイムからのポートフォリオの位置付けなど興味深い話題があった.いずれにせよ,ポートフォリオのタイプは様々であるし,目的に応じて適切な利用方法をとることが重要であると感じた.また山岸先生はポートフォリオ活用においては,リフレクションを促進する工夫をすること,学生の書く力・考える力を高めることがキーであると指摘していた.

 一般発表の中では仁愛大学非常勤講師で(株)ふくいコミュニケーションズの澤崎氏の発表,福井県立大学の山川先生の発表における授業実践がそれぞれ良くデザインされていると感じた.共通して言えることは基本的にはLMS(Moodle)を用いて授業全体を管理し,学生が作成した中間成果物の共有や成果の公開,ピアレビューにMaharaを活用している点である.

 一方で,多くの授業実践発表がLMSでもできることをMaharaを使ってやっているようにも見えた.このコミュニティには,本質的なeポートフォリオ活用を意識した授業設計を行い,それをMahara上で具現化するようなアプローチを期待したい.当日の資料や発表の様子はMaharaユーザコミュニティの以下のサイトで公開される.

 http://eport.f-leccs.jp/muc/