【2012年度参加報告】大学ICT推進協議会2012年度年次大会

報告者:渡辺博芳,古川文人, 高井久美子,及川芳恵

 大学ICT推進協議会2012年度年次大会は,2012年12月17日(月)~19日(水)に神戸国際会議場で開催された.情報教育研究集会に代わって,昨年から 大学ICT推進協議会の年次大会が開催されることとなった.これまでの主な構成員である情報教育に係わる教職員に加え,研究・学生サービス・事務などにおける大学全般の情報化が対象となり,CIOから事務職員まで幅広い参加者が期待される.

 本大会のCIO部会には渡辺LT開発室長が代理出席し,一般セッションにおいては古川講師が「学習管理システムと連携した教職課程履修者カルテシステムの2次開発における機能拡張」について発表した.3日間の会期を通じて,42件の一般・企画・企業セッションの他,ポスターセッション,全体会,情報交換会等が行われ,全体の参加者は約600名であった.

 全体会では, 理化学研究所副機構長  米澤明憲氏による「計算科学が拓く未来」,クリエイティブコモンズジャパン 渡辺知暁氏による「クリエイティブコモンズが拓くオープンエデュケーション」の2件の基調講演があった.一般セッションにおいては,ホットなトピックスとして学習と教育のパラダイムシフト,教育のオープン化,蓄積されたデータの活用といった議論が注目されていたと感じる.基調講演や企画セッションでも取り上げられた「教育のオープン化」について,北米では,単位認定をするOCW(open course ware)から単位認定を伴わないOER(open educational resources)へと流れが変わりつつある状況が報告された.「データの活用」に関しては,eポートフォリオや学習履歴など蓄積されつつある活動記録の活用方法および卒業後のデータの保管についても,高い関心が寄せられていた.

 次回の年次大会は2013年12月18日(水)~20日(金)に幕張メッセで開催される.