第112回LTセミナー「アクティブラーニング編Vol.2『反転授業の試み』」
第112回LTセミナーは,FD委員会と合同で,アクティブラーニングの実践例の共有を行いました.セミナーでは,まずアクティブラーニングワーキンググループの渡辺 博芳主査より「反転授業のいろいろ」についての説明があり,続いて学内での反転授業の実践事例発表と討論が行なわれました.
「反転授業のいろいろ」では,反転授業をとらえる視点は,反転の度合いや授業時間内の学習スタイルなどいくつか挙げられることが紹介されました.反転の度合いとは,講義(知識の伝達)をすべて事前学習とするか,授業時間中にも行うかによる視点で,授業時間内の学習スタイルとは,協働学習や個別学習,あるいはそれらの混在といった視点でのとらえ方です.効果的なアクティブラーニング中心型授業として,バーグマンらの著書(※1,2)では,反転授業から反転型完全習得授業,さらに反転学習への変化も紹介されました.
事例の1つ目は,総合基礎科目の安原 正貴先生による「反転授業と協同学習を取り入れた英語の授業例」です.対象としたのは1年生の英語I類の科目「英語2」で,テキストの英文・語彙・文法の解説はすべてビデオ講義で行いました.学生は授業中に予習確認テストやテキスト内容に関する問題を解く個別学習と,解答についてグループで議論する協働学習の両方を行います.前期に実施した「英語1」と比較すると,予習をする学生が増加し,学生の英文の理解が向上したようだとのことでした.また,教える知識の量が増えたと教員が感じていることも述べられました.
実践事例の2つ目は,情報電子工学科の水谷 晃三先生による「プログラミング1における反転授業の試み 」です.プログラミング教育における反転授業の実践方法を示し,事前学習の講義ビデオの視聴履歴と課題の点数の関連を示して,初学者向けのプログラミング教育にどのような反転授業の形態がふさわしいかを検討しています.事前学習の講義ビデオは,全体で80%ほどの学生が視聴していて,視聴率が高いほど課題の点数が高いことがわかりました.また,学生アンケートの自由記述からは,学生の満足度は高く,反転授業の継続を望む意見が多かったことも紹介されました.
各々の事例紹介の後には,ビデオや教材作成の負荷や,学生が授業時間中にどのように学んでいるかなどについて活発に質疑が行なわれました.
※1ジョナサン・バーグマン,アーロン・サムズ:反転授業-基本を宿題で学んでから,授業で応用力を身につける,オデッセイコミュニケーションズ(2014).
※2ジョナサン・バーグマン,アーロン・サムズ:反転学習-生徒の主体的参加への入り口,オデッセイコミュニケーションズ(2015).
参加者の人数
開催日:2015/11/10(火) 16:50 ~ 18:10
教職員 | 院生・学生 | 合計 |
22(18)名 | 7(3)名 | 29(21)名 |
セミナーコンテンツ
開催案内
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配布資料・講演動画
配布資料や講演動画はLMSのコミュニティ「教職員のひろば」内,LTセミナー資料に掲載しています.