帝京大学ラーニングテクノロジー開発室10周年記念シンポジウム
ラーニングテクノロジー開発室10周年記念シンポジウムを,2013年8月28日に帝京大学宇都宮キャンパスで開催しました. 本シンポジウムは,高等教育開発センター,宇都宮キャンパスFD委員会に後援いただき,帝京大学FDネットワークの活動の一環として行ったもので,教員・職員・学生あわせて約60名の参加がありました.
宇都宮キャンパスFD委員長の横山 明子教授の総合司会で進行し,開催趣旨説明とLT開発室の10年の活動の振り返りに続き,宇都宮,八王子,板橋,福岡の各キャンパスからのICTの活用に関する講演と,それらを踏まえた総合討論および教育改善全般に関するポスターセッションを行いました.
開催にあたり,理工学部長 波江野 勉教授から,「いわゆるeラーニングが世の中に広まるとコンテンツの競争となり,レベルアップしていくことが求められる.このシンポジウムを,帝京大学での教育に対する取り組みを知る良い機会としたい」とのご挨拶がありました.
次に,ラーニングテクノロジー開発室(LT開発室)室長の渡辺 博芳教授から,本シンポジウムが教育への情報通信技術(ICT)活用をテーマとした全学のシンポジウムであり,帝京大学のFDネットワークの活性化につなげたいとの開催趣旨の説明がなされました. また,この10年を振り返り,「わかる授業の提供」「自己学習力の育成」という目標に向かって,教員の支援を中心に進めてきたLT開発室の活動を紹介し,今後の方針を示しました.
続いて,帝京大学の4つのキャンパスからICTを活用した教育について講演がありました.
(1)宇都宮キャンパス
ラーニングテクノロジー開発室の古川 文人講師が「教育用情報基盤環境とそれを活用した授業実践事例」と題して宇都宮キャンパス情報基盤と,セルフラーニング型の授業や学生のピアレビューを取り入れた授業などオンキャンパスの授業におけるICTを活用した実践について報告しました.
(2)八王子キャンパス
情報処理センター センター長の池 周一郎教授が「文系学部のLMSの利用とポータル・システムとSSO(Single Sign On)の効用」と題して文系学部におけるLMSの利用実績とポータルシステムの活用について報告し,情報モラル向上の必要性を指摘しました.
(3)板橋キャンパス
薬学部の大塚 文徳教授が「薬学部におけるiPadの導入と今後の展望」と題してiPadを,自律的学習のためのツールとして使用した実践例と,既存の教育資産を統合して有効に使う展望を示しました.
(4)福岡キャンパス
福岡医療技術学部の松本 譲教授が「福岡キャンパスの現状 ― 国家試験対策を中心に ― 」と題して国試対策として,問題データベースを構築して学生の自習を促進し,結果をカルテ化して指導に役立てている取り組みについて報告しました.
総合討論は,各キャンパスの講演者がパネリストとなり,渡辺LT開発室長の司会で進行しました. 高等教育開発センターの井上史子准教授が指定討論者として,各キャンパスからの発表をそれぞれまとめたうえで,学生の能動的学習の促進や,ツールと授業設計の関係,目的に沿ったツールの使用,ICTを使うメリットなどについて,フロアも含めて討論しました. 井上先生からは,FDの立場から今後組織的に取り組むべき課題が以下のように示されました.
- 学修の質の向上に向けて各キャンパスの基盤環境を整えることや人的支援の必要性
- 教授・学習観の変化に対応すること
- 蓄積された情報をまとめて全学的に活用すること
冲永 佳史学長からは,学生の気質の変化と社会の動きにどのように対応しどのように学生の学修進度を深めるかに向けて,今後は大学全体の教育に関する知見を蓄積し整理統合して共有することが課題であるとのご挨拶がありました.
その後,10タイトルのポスターが並ぶホールに会場を移し,ポスターセッションを行いました.
このシンポジウムは,帝京大学の4つのキャンパスの教育改善に関する取り組みを参加者間で共有し,今後の方向性について議論することができたという点において意義のある会となりました.
参加者人数
日時 | 教員 | 職員 | 院生・学生 | 合計 |
2013/8/28(水)13:30~ | 33(29)名 | 13(10)名 | 13(11)名 | 59(50)名 |